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銀の鈴社は、〈花や動物、子供たちがすくすく育つこと〉を願って活動しています

『山のじいちゃんとチャボのボス』◯西野真由美の社長ブログ

『山のじいちゃんとチャボのボス』美才治幸子作・小倉玲子絵のご紹介です。
四年生の夏休み。
太郎は、大好きな山のじいちゃんと過すため、準備万端整えます。
四年生になったので、初めて一人で行くのです。
街を抜け、山の中を歩いて半日近くかかる道程。
渇いた喉は、水筒のお茶で潤し、火照った身体と吹き出る汗は、沢の流れに脚をいれて鎮めます。
ようやくたどり着き、大歓迎で迎えてくれたじいちゃんですが、そこでの毎日は街の暮らしとはかけ離れた日々でした。
石けんもシャンプーもないお風呂にギョッとする太郎。
じいちゃんは、人のにおいのする水は虫が嫌うので消毒になると、風呂の湯を畑へ流すしているのです。
田の草取りでは、虫に刺されるのではないかと尻込みしますが、じいちゃんのところへいったら、たくさんはたらいて手伝おうと思っていたのに、と思い直して奮闘します。
一人旅の途中で出会った沢ガニや、じいちゃんと暮らすチャボのボスを通して、命をつなぐことの大切さ、その命をいただいて生きていくことの重さをしっかりと思い知っていく太郎。
太郎のひと夏の経験を共有、共感しながら、たくさんの命をいただいて生きていること、五感すべてをフルにつかって毎日を過すことの面白さを感じさせてくれる本。
バーチャルなゲームの世界で遊ぶことの多い今の子に、こんな世界があるんだよ、と教えてあげたい物語です。
西野真由美

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