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銀の鈴社は、〈花や動物、子供たちがすくすく育つこと〉を願って活動しています

『ひっこしはバスにのって』◯西野真由美の社長ブログ

大寒を過ぎ、豪雪や氷点下など、厳しい寒さが続きます。
でも、もうすぐ節分。
寒空にのばした枝先には、かたいつぼみが出番に備えています。
生命あふれる春は、また一番引越の多い時期。
できたての絵本、『ひっこしはバスにのって』(季巳明代 文・くぼたまなぶ絵)のご紹介です。
鹿児島の季巳さんと札幌のくぼたさん。
二人をつないだのは、銀の鈴社の編集長です。
子どもから大人まで、ほんわり心があたたまる、パイプオルガンのような絵本が誕生しました。
やわらかなリズムの無駄のない文章で、女の子の心の揺らぎと、バスに乗り合わせた見知らぬ女性とのあたたかなひとときの交流をえがきます。
主人公のミミは、生まれ育った大好きなひさしやまから、引越すことになったのです。
ゴトゴト揺れるバスの中で、疲れたお母さんは眠っています。
寂しさと不安を抱えて、バスに揺られるミミは、乗り合わせた見知らぬ女性とのふれあいから、新しい世界へ一歩を踏み出す、小さな勇気をもらいます。
路線バスも通らない田舎道を走るバス。
咲き始めたすむれやつくし、たんぽぽたちひとつひとつに、「バイバイ」を言ってきたミミ。
季巳明代さんの作品に、くぼたまなぶさんのほんわりとした絵が寄り添います。
ほわほわっとした湯気の中にいるような、温かな読後感に包まれる、ほのぼのとした絵本です。
じつはこの作品、かつて「ほのぼの童話」で入選となったものがたりです。
初めて原稿を読んだ時に、このお話は読んだことがある、と思ったのも当然です。
私はかつて、「ほのぼの童話」の審査員でした。
私の担当は児童の部でしたが、一般の部も入選作品は全部読んでいたので、記憶に残っていたのです。
絵本となってうまれかわった『ひっこしはバスにのって』。
あなたの心を、きっとふんわりと包んでくれることでしょう。
西野真由美

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