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銀の鈴社は、〈花や動物、子供たちがすくすく育つこと〉を願って活動しています

『ぼうぼうあたま』について


『ぼうぼうあたま』
は近代絵本のルーツ、また、ドイツのマザーグースともいわれ、世界中で愛されている絵本です。
ハインリッヒ・ホフマンが3歳の息子カールのため、1844年につくりました。
息子に本をプレゼントしたくて本屋をさがしたけれど、子どもにもわかる本がなかったので、自分でつくってしまったのです。
医師であるホフマンは、子どもを診察する時に、よく絵を描いて気持ちをそらせていたそうです。
そこで、子どもの心をとらえるような本を、自分でつくってしまおうと思ったのでしょう。
本書は、大正時代に日本で初めて刊行された初版本をできるだけ忠実に再現しており、フランクフルト市長や、ドイツのぼうぼうあたま博物間館長のご推薦もいただいています。巻末には解説も。
七五調のリズム感あふれる言葉と、ハッとするほど強烈な絵。
一見、残酷な絵本のようですが、医師であるホフマンが、愛するわが子のためにつくった絵本は、時をこえ、国をこえて愛され続けている、世界的なロングセラー。
例えば、絵本作家のせなけいこさん。
『ぼうぼうあたま』がファーストブックだというせなさんは、絵本の文章を今でもそらんじています。
佐藤さとるさんは、忘れられない一冊として、いつも『ぼうぼうあたま』を挙げておられます。
お空ながめのハンスくんでは、いつも空をながめているハンスが、木の根につまづいたり川に落ちたりして、魚にまで笑われます。
ドイツでは、桃太郎さんのように誰もが知っている絵本なので、ボーッとしている子どもには、ほら、ハンス、と、声をかけるとか。
指なめ小僧では、なめた指を大きなハサミで切られてしまいますが、これも、医師であるホフマンが、指をなめることが命にかかわる危険をはらむということを、幼い子どもにもよくわかるように工夫した話。
当時はペストが流行っていたのです。
しつけの国としても名高いドイツの、しつけ絵本ともいわれる所以です。
ぜひ、幼い頃から繰り返して読んであげてください。
怖い中にも、子どもへの深い愛情がぎっしりつまっていることを、いつのまにか感じて育つことでしょう。
子どもへの深い愛情があればこその戒め。
それが、『ぼうぼうあたま』なのです。
本邦初訳の伊藤庸二さんはお亡くなりになっておられますが、千葉県の御宿町でご子息が五輪文庫を運営され、本書の資料なども収集されておられます。
童謡「月の砂漠」の舞台として知られる御宿町の、もうひとつの名所です。

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