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銀の鈴社は、〈花や動物、子供たちがすくすく育つこと〉を願って活動しています

『新渡戸稲造ものがたり』◯西野真由美

今年は、新渡戸稲造の生誕150年です。
8月31日に稲造生誕の地、盛岡で記念式典が行われました。
そして銀の鈴社では、ジュニアノンフィクションシリーズ『新渡戸稲造ものがたり』を刊行しました。
新渡戸稲造は、以前の5000円札の肖像となった人。
樋口一葉の前ですから、今の子どもたちには馴染みがないかもしれません。
新渡戸稲造は、今のユネスコや国連の礎を築いた重要な人物で、英語で執筆した『武士道』で、日本人の道徳心を広く世界に知らしめました。
われ太平洋の橋とならん、という志のもと、まさに真の国際人として、世界の平和に貢献した新渡戸稲造。
日本最初の農学博士として、農業、そして教育にと奔走し、尽力した新渡戸稲造。
アメリカ留学中に出会い、結婚した妻メアリーもまた、稲造を助け、日本での動物愛護運動の先駆者としても活躍しました。
竹島や尖閣諸島など、領土問題に揺れる今、新渡戸稲造の足跡を辿ることで、平和への一筋の道が見えてくるように思います。
東日本大震災後、被災者である日本人の節度ある行動に、世界中から賞賛の声が集まりました。
留学中に、日本ではどのような道徳教育がなされているのか? と聞かれ、その答えを模索しているうちに武士道を記した新渡戸稲造。
日本人の道徳心は、幼い頃から家庭や社会で培われてきた武士道が根幹にあったのです。
道徳の荒廃、マナーの欠落が叫ばれて久しい昨今ですが、あの悲惨な大震災後の状況下で節度ある行動をなさった多くの方々は、稲造が誇りとした日本人の道徳心が消えていないことを証明してくださいました。
幼児教育に英語が必須となりつつある今こそ、真の国際人としての先達、新渡戸稲造を学ぶことは、小手先の教育に心棒を通すことになるのではないでしょうか。
著者の柴崎由紀さんは、本書が処女作。
膨大な資料を読み解き、稲造の足跡を丹念に辿り、ジュネーブにまで足を運びました。
銀の鈴ギャラリーでは、ただいま取材報告展「近代日本に影響を及ぼした人々」を開催中です。(~9月25日 水曜定休)
先日も、新渡戸稲造のお身内の方がお見えになり、とても喜んでくださいました。
下記のブログも、ぜひお楽しみください。
新渡戸稲造博士の足跡を訪ねて
http://inazo-nitobe.blogspot.jp/
西野真由美

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