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銀の鈴社は、〈花や動物、子供たちがすくすく育つこと〉を願って活動しています

宮田滋子詩集『白鳥よ』(ジュニアポエムNO.222)◯西野真由美

『白鳥よ』(宮田滋子・詩 牧野鈴子・絵)は、ため息がでるように美しい詩集です。
憂いをまとった気高い白鳥。
その白鳥に金の粉を降り注ぐ満月。
牧野鈴子さんの絵に、吸い寄せられてしまいます。
『白鳥よ』は、宮田滋子さんの童謡活動50年を彩る詩集。
昨年上梓した『さくらが走る』で、今年日本童謡賞を受賞した宮田滋子さん。
サトウハチロー門下生としてスタートして半世紀。
童謡に少年詩にと、常にトップレベルの作品でこの世界を牽引し続けている詩人です。
華奢なお身体の、どこにあれだけのパワーがおありになるのか。
ジュニアポエムNO.222という数字も、『白鳥よ』に相応しく、まるで待っていたかのようです。
4章、42篇の美しい詩集が、ポエムの水面を泳ぎ渡ります。
今の季節にぴったりの作品をご紹介しましょう。
秋のとびら、貴方はどこに感じますか?      西野真由美
 秋のとびら
         宮田滋子
秋へ通じる
季節のとびらは
どこでしょう
玉すだれの咲く
庭かしら
秋へ通じる
見えないとびらは
もしかして
アオマツムシの鳴く
茂みかしら
秋へ通じる
秘密のとびらは
ひょっとして
稲穂の波の
下かしら
     宮田滋子詩集『白鳥よ』(ジュニアポエムNO.222)所収

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