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銀の鈴社は、〈花や動物、子供たちがすくすく育つこと〉を願って活動しています

『新美南吉ものがたり』○西野真由美

今年は、新美南吉の生誕101年目。
記念すべき生誕100年に滑り込みセーフで刊行されたのが、『新美南吉ものがたり』です。
南吉は、「ごん狐」や「手袋を買いに」、美智子妃殿下がお好きだという「デンデンムシノカナシミ」などの童話や童謡で親しまれています。
愛知県の半田市に記念館もありますが、29歳で夭折した南吉の子どもから読める伝記は、本書が初めて。
新美南吉記念館の方々もご協力くださり、しっかりした人物ものがたりとして誕生することができました。
新美南吉の名前は知らなくても、「ごん狐」の作者といえば「ああ。。。」といわれるほど知られている南吉の作品は、その情緒的な作風で、いまだに多くの人々に愛されています。
年末に、ラジオから聞こえてきた聴取者からの投稿に、こんな短歌がありました。
音読に孫が選んだごんぎつね何度読んでもごんは死にます
夭折した方の伝記は難しいものですが、ベテランの楠木しげおさんは、中学時代のエピソードや、南吉の後ろ盾となった巽聖歌、北原白秋との交流などを、丁寧に書いていて、大人の南吉ファンにも読み応えのある作品になりました。
南吉ファンで、南吉作品への挿画も手がけてきた画家のくまがいまちこさんも、時間的な制約の中、精魂込めて描いてくださいました。
新美南吉記念館の学芸員、遠山さんは、生誕100年記念の多忙な中、細やかに内容精査にお力添えをくださいました。
思い出すだけで胸がキュンとする南吉作品の数々は、流行りの涙活にもぴったり。
『新美南吉ものがたり』を読んで、新たな発見をしてみませんか?
西野真由美

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