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銀の鈴社は、〈花や動物、子供たちがすくすく育つこと〉を願って活動しています

新刊『大分弁俳句集-物すべて丸うしちから-』

『大分弁俳句集-物すべて丸うしちから-』
発行日:2022年1月1日
俳句:油布晃(ゆふ あきら)
本文掛け合い:古田恵美子(ふるた えみこ)
表紙絵:早川和(はやかわ たかし)
本文挿画:高山奉子(たかやま ともこ)
出版社:銀の鈴社
判型: 四六
ページ数:88
ISBN:978-4-86618-128-8 C0092

自粛のときの思いがけない産物

日々静かに足元を見つめる時間が多いこの頃、ふと気づくと、デスクの上は自分史の原稿が、、、。

一年がかりでついに刷了紙をまえにして感無量。

著者は90歳。30年間、40数回のヨーロッパ旅行記。3冊目はすべての旅行をダイジェスト的に収載したい、おまかせしますとのご依頼でスタートした編集作業。丁寧な旅日記はどれも臨場感満載で、削除する難しさとの格闘でした。

もう一冊、編集を終えて同時に印刷待ち。やはり80代という。どちらも女性。

しつかりしたご指示で、お二人とも電話の声だけの接触ですが、その確かさが伝わってきました。

ハルピンからの引き揚げの思い出、人生の歩みの中で受けた、周りの人々への感謝、旧仮名混在の文章を整えながら、一番最初の読者として著者の息づかいをたどりました。

感じたことは命の重さ、尊さ、美しさ。

自伝 とは。

こし方をありのままたどり、己が反芻し、これからの人に伝え遺す。

遺産としての世界で一冊だけの神聖なミッション。

身をひきしめながら開く次なる原稿は、ドイツと日本の架け橋として受賞された実業家の、思い出の交友録。現役の著者は、ご多忙な生活で返事をいただくのも忘れた頃。焦らず、心合わせて伴走せねば。

あっ、昨日の電話は写真集をと。

人それぞれ、走り続けた中でのひと休み。その思いがけない名作の産物です。

本という著者の分身のお産に携わる産婆役は、今日も元気です。

おかげさまです。

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