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銀の鈴社は、〈花や動物、子供たちがすくすく育つこと〉を願って活動しています

『平和をねがう原爆の図  ー丸木位里・俊夫妻ー』◯西野真由美

楠木しげお著・くまがいまちこ絵『平和をねがう原爆の図 ー丸木位里・俊夫妻ー』のご紹介です。
原爆や戦争の絵を四十年以上描き続けてきた丸木夫妻。
それはひたすら戦争のない、原水爆の使われない平和な世界をねがっての活動でした。
代表作の「原爆の図」などは、アメリカを含めた世界各国から招聘され、原爆の脅威、戦争の愚かしさを人々に訴えてきました。
丸木夫妻による共同制作の作品は、原水爆やアウシュビッツ、沖縄戦や南京大虐殺、そして水俣病や足尾鉱毒など、社会への強いメッセージを発信しています。
丸木夫妻は、絵による平和運動家だったのです。
著者の楠木しげおさんは、『旅の人 芭蕉ものがたり』でサンケイ児童出版文化賞を受賞された方で、サトウハチロー門下生の詩人、歌人でもあります。
東日本大震災の地震と津波、そして原発事故。
たとえ平和利用であっても、原子力を使うことには断固反対だった丸木夫妻の声に、もっと人々が耳を傾けていたならば、せめて原発事故は防げたはず。
あとがきでは、いつも静かな楠木さんの熱情が、ヒリヒリと伝わってきます。
丸木夫妻がねがった平和な世界、その心をしっかりと受け継ぐために刊行した本書です。
未来を担う子どもたちに、そして今、新たな一歩踏み出すことができるはずの大人たちへ。
読みやすくまとめられた本書を通して、丸木夫妻の心を、平和へのねがいを、受け止めていただきたいと思います。
巻頭の口絵では、「原爆の図」のいくつかや夫妻の写真も収載しています。
また出版にあたっては、原爆の図丸木美術館の学芸員、岡村幸宣さんとご遺族に、ご協力を賜りました。
改めて御礼申しあげます。
本屋さんでもご注文いただけますが、丸木美術館でもお求めいただけます。
西野真由美

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