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銀の鈴社は、〈花や動物、子供たちがすくすく育つこと〉を願って活動しています

『さくらが走る』◯西野真由美の社長ブログ

宮田滋子詩集『さくらが走る』(絵 武田淑子、ジュニアポエムNO215)ができました。
ジュニアポエムの6冊目となる本書は、前作『風がふく日のお星さま』(絵 太田慶文、ジュニアポエムNO197)に続く童謡詩集。
収載された40編は、小さなお子さんはもちろん、大人の目にも適う作品ばかり。
歌われることを前提とする童謡は、ことばやリズムの制約を伴います。
子どもの目線を意識するあまり、「子ども騙し」へと傾倒する場合も見受けられるほど。
そんな作品に出会う度に、童謡の世界の難しさを感じています。
でも、『さくらが走る』は違います。
タイトル詩はもちろん、今月のポエムでご紹介している「野道」など、レベルの高い童謡が満載です。
タイトル詩にあわせた表紙絵の美しさも、この詩集の品格をさらに揺るぎないものとしてくれています。
真夏の鉄棒の、やけどしそうなアッチッチの感覚。
「おひさまが
   てつぼうしたんだ」
作品「てつぼう」の言葉は、子どもも大人も、共感できる普遍性を持っています。
タイトル詩の「さくらが走る」は、散り敷いた桜が、風に煽られる様を謳います。
舞い、走る、さくらのように、あなたの心にやわらかな一陣の風をおくってくれる詩集です。
西野真由美

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