skip to Main Content

銀の鈴社は、〈花や動物、子供たちがすくすく育つこと〉を願って活動しています

『神宿る島』◯西野真由美の社長ブログ

四国と瀬戸内海を舞台にした、本格的な歴史ファンタジーが誕生しました。
著者の盛重ふみこさんは、古文書をはじめとするさまざまな歴史書、文献から得た知識に豊かな想像力を加味させて、故郷、四国と瀬戸内海を舞台としたファンタジーを創出しました。
おだやかにみえるが、ひとすじなわではいかない瀬戸内海。
その昔、都から百済、新羅、高句麗の三韓(現、韓国)や、宋、斉の国(中国)への、航路の要所としての護衛を任ぜられた一族の、波乱に満ちた決死の物語です。
人の気持ちがわかるようなウミガメや龍が、違和感なく出現する古代を舞台に繰り広げられるファンタジー。
様々な古文書類を調べ、それらをもとにしているとはいえ、これだけの世界を描くには、溢れるほど豊かな想像力がなければ、とてもここまで築きあげることはできないでしょう。
作者の盛重ふみこさんは、80代。
飽くことのない探求心と、豊かな想像力には、身の縮むほどの敬意を覚えます。
最後に収載された、四国と九州に伝わる大きな大きな木の民話も、忘れらない逸話です。
こんな風に、神代の頃から、人は日々を勤しみながら、今に続く歴史を築いてきたんだなあ。
今ある生を愛おしみながら、かつて生き、いのちをつないできた先人たちに思いをはせる一冊としても、オススメです。
西野真由美

Back To Top