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銀の鈴社は、〈花や動物、子供たちがすくすく育つこと〉を願って活動しています

西野真由美の社長ブログ◯『まけるな アオムシくん!』

西野真由美の社長ブログ◯『まけるな アオムシくん!』
  山形出身在住、福山とも子さんの絵本『まけるな アオムシくん!』が誕生しました。
 幼児から小学生まで、一人でも親子でも楽しめるもの知り絵本シリーズです。
  
 本書が処女出版となる福山とも子さんは、小学校の図書室で、子どもたちへの読書指導や読み聞かせなどの活動をしておられました。
『まけるなアオムシくん!』は、クロアゲハの卵が、アオムシからサナギ、そして成虫になるまでをえがいた絵本です。 
 鉢植えのミカンの木に産みつけられたクロアゲハの卵が、カマキリや鳥、嵐などの危機に耐えつつ成長する姿は、ハラハラドキドキしながら、生きる力と不思議さを感じさせてくれます。
 そしてもうひとつ、アオムシくん達は、親に育ててもらうのではないのですよね。
 蝶の寿命と、卵から成虫になるまでの期間からみても、無事に大人になったときには、すでに親は寿命を終えているくらいです。
 親の庇護の下で成長できるしあわせ。
 そう、人は一人では生きていけないのです。
 アオムシくんの成長をとおして、生き物の素晴らしさと庇護され、援助されてきたことへの感謝を感じてもらえたなら。
 福山さんの願いが、絵本をとおして伝わることを祈りつつの刊行です。 
 巻頭には、作者が小学校へ持参 したアオムシが、サナギからクロアゲハへ羽化する様子を撮影した写真を収載。
 巻末には、プロの写真家の写真と、蝶に関するもの知りコーナーも設けました。
『まけるなアオムシくん!』を、どうぞかわいがってくださいね。
 西野真由美 

西野真由美の社長ブログ◯『緑のふんすい』

『緑のふんすい』藤本美智子詩・絵(ジュニアポエムNo.206)が刊行されました。
 春になって、一気に萌え出す山の木々。
 まばゆいばかりの、色とりどりの緑の山。
 タイトル詩「緑のふんすい」で作者は、
「あたたかくなって
    いっきに
    緑のふんすい
    ふきだした」
とうたいます。
そして、
「おひさまと雨が
    こうたいで
    おうえんするもので
    しゅっしゅる しゅっしゅる
    ふきだすよ」
と、エネルギッシュな緑の山を、緑のふんすいに見立てるのです。
 春の山には、赤ちゃんや子どもと同じ、グングンと育ちゆくもののエネルギーがあふれています。
 藤本美智子さんは、そのはじけるような熱い力を、勢いよく吹き上げる、ふんすいに感じたのです。
 「緑のふんすい」は、やさしい言葉で、春の山の緑の力を、存分に表現した作品。
 他に、一行詩や、風(ふうさん)と名付けた犬との暮らし、季節のうつろいを捉えた作品等、たくさん収載しました。
西野真由美 

西野真由美の社長ブログ◯『水の勇気』

『水の勇気』江口正子詩集  高見八重子 絵(ジュニアポエムNo.205)が刊行されました。
 『ぞうのかばん』(ジュニアポエム)、『みてみたい』(詩の絵本)に続く、江口正子さんの世界。
 子どもにもわかる言葉で、どんどん進む開発や、環境問題に想いを馳せるような詩もたくさん収載。
 作品「雑草」では、
「ごめんね
   花を 咲かせたいのね
   ごめんね
   自分を 咲かせたいのね」…部分
 と、家を建てるために刈り取る雑草へ呼びかけます。
 タイトル詩「水の勇気」では、滝壺へ飛び込んでいく水の勇気を見つめます。
  「先に 進んだ
      水たちの
      雄叫びが きこえてくる
    
      足が 震える
      いのちが 震える
       水は
       ひとつの 試練に
       震えながら 飛び込む」部分
 誰でも、思い切って飛び込まなければならない瞬間を、何度か経験しているでしょう。
 子どもたちも、これから幾度も直面していくだろう瞬間。
 大きな流れに押し流されて、どうしても飛び込まなければならない状況。
 その時、押されながら後ろ向きに落ちて行くのか、エイっと自ら飛び込んでいくのか。
 「いのちが 震える」ほどの怖さの中で、それでも自ら飛び込んでいく勇気を持ちたい。
  そう、水のように。
 雪どけ水を描いた、静かでやわらかい表紙。
 その上で躍るタイトル文字。
 水の変幻自在さを表現していて、この表紙自体がポエムになっているようです。
西野真由美
 

西野真由美の社長ブログ○贈呈式のご報告

贈呈式のご報告
真夏のような日差しが眩しい21日金曜日、神楽坂の出版会館で、第14回三越左千夫少年詩賞の贈呈式がありました。
日本児童文学者協会の協会賞、新人賞等の贈呈式とあわせて。
たくさんの児童文学者や出版社、マスコミ等の方々の前で、杉本さんの受賞のご挨拶がありました。
杉本さんは、26歳の時脳梗塞と突発性難聴に襲われ、一夜にして右耳の聴力を完全に失ったこと。
打ちのめされていたその頃、八木重吉の「虫」という作品に出会い、詩を作りはじめたことなどを話されました。
そして、その「虫」を暗誦し、最後に、自作の「母」を暗誦されました。
心に響くご挨拶でした。
私は作品「母」に涙しながら、杉本さんの静かで深い大きな喜びを、しっかり抱きしめていました。
また、版元への感謝状も贈呈くださいました。
この秋の「『漢字のかんじ』を感じる展」(11月6日~23日、水曜定休・銀の鈴ギャラリーにて)で、展示させていただきます。
選考経過の報告も素晴らしい文章で、この詩集の力を認め、讃えてくださっていて、感謝にふるえる一夜でした。

八木重吉
虫が鳴いている
いま ないておかなければ
もう駄目だというふうに鳴いている
しぜんと
涙がさそわれる
西野真由美

スケッチ教室 阿見みどり


庭の花々を夢中で集めてテーブルに並べ、ひとり満足。
この画像はほんの一部です。
いよいよ時間になり、いつものKさんとTさんご持参のたくさんの花・・・。
みな、あふれる花の中でにこにこの楽しい2時間で「早すぎるー」の声が。
それぞれの作品はみるみる上達して、やはり描きなれることがいちばんと実感しました。
その人らしさがすなおに描かれて、花にひきだされる不思議な味わいに私も喜びひとしおでした。

西野真由美の社長ブログ◯三越左千夫少年詩賞

三越左千夫少年詩賞!
常用漢字改定案のニュースが各紙で報じられる中、『漢字のかんじ』の受賞式が今日行われます。
第14回三越左千夫少年詩賞。
三越左千夫先生は、少年詩、童謡に生涯を捧げた偉大な先人。
純真な子どもの心と目線で、森羅万象をのびやかに謳いあげた詩人です。
(『せかいでいちばん大きなかがみ』三越左千夫詩集 銀の鈴社刊 ジュニアポエムNO. 151をご参照くださいね)
本賞は、三越左千夫さんを物心両面からずっと支えてこられた実弟さんが、少年詩の世界のためにと設けてくださった賞。
今は亡き木暮正夫先生がご尽力なさって実現し、今回が第14回目。
『せかいでいちばん大きなかがみ』の挿画を担当した阿見みどりの個展で、弟さんのご一家とお会いしたのは、もうひと昔前になるでしょうか。
穏やかな、やわらかい笑顔が印象的で、息子さんご一家に囲まれていらっしゃるご様子は、まさにほのぼの家族のお手本のようでした。
ご高齢なので、会場ではお目もじかなわないでしょうが、三越左千夫さんと弟さんの功績に感謝し、受賞式に臨みたいと思います。
西野真由美

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