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銀の鈴社は、〈花や動物、子供たちがすくすく育つこと〉を願って活動しています

阿見みどり 花に囲まれて

丸善津田沼展
もう8回目 ありがたいことです。ギャラリーの担当者が途中で交代になるのも無理からぬ年月が過ぎました。
毎回欠かさずおいでくださる方も多く、新しい出会いもうれしいですが、七夕のように1年ぶりにお顔を確かめて、微笑みを交わすことは深い想いが蓄積されていきます。
この不況のなか、電車を乗り継いで遠くから足を運んでくださる方々、丸善さんにも感謝されてうれしいです。
両手にいっぱいの、丹精こめてやっと咲いたお庭の花を届けていただいたり、花好きの友人誘い合わせての、花談義の笑い声、あふれるやさしさにひたっています。

阿見みどりのブログ○丸善津田沼展の初日

五月晴れに恵まれて初日。
ギャラリーは11時からオープン。
すでに数人の来廊者が展示品の前に。
今年も去年にひきつづいて絵絹の作品が多い。
筆先からヒューッと水が吸いとられて、願いを聞き入れてくれてる感じがたまらない。
10代後半からはじめた絵筆とのつきあいは、京都画壇で一直線の日本画家長谷川朝風先生仕込みだったけれど、画材は和紙の段階のままだった。
三年前、日本画のルーツ水墨画の元を知りたくて中国の三渓クルーズに参加してその生まれた空気にひたり、武漢の国立美術館で老画家が寒い石の部屋で一気に絵絹に描いている姿に見とれて以来の私の憧れとなった。
絵絹の短冊にアジサイを数枚、野の花に合う素材の額も特注をして満足。

秘密の花園

五月晴れの午後 グーちゃんと2時間ほど心地よい世界にひたって、スケッチを楽しみました。
歩くには少し遠いところ、でも片道なら何とか・・・。私の大好きな秘密の花園に車に便乗して途中下車。
細い民家の間の路をぬけてさらに山に続く細い路のつきあたり。
いつだったか、源氏山から探検の散歩をして、心細くたどりついた路なき路の木立の向こうにこの花園を発見したのです。
春をまちかねたように、たくさんの花々が元気いっぱいの別世界です。
どんな方が、手入れをされているのでしょう。と気にして過ぎた数年後、気功の仲間の一人がそのご本人! なにげない会話のなかで、もしや? とお尋ねしてわかりました。
300坪の花畑、楽しくて楽しくて、全部種から育ててるの・・・と。
うれしかった!
今日は、だれもいない花畑で彼女のやさしい姿を想いながら、ありがとうとスケッチさせていただきました。
折本スケッチ3冊に可愛い花畑が仕上がりました。

鶴岡八幡宮の大銀杏の根元にたくさんのひこばえが・・・

3月の嵐で人気のない未明に轟音をたてて倒れた大銀杏。
800年の武家政治を見届けた、実朝の悲運の証人の一代の命を、風の勢いは奪ったかにみえた。
幸いなるかな芽吹きの時季!
たくさんのひこばえのひそひそばなしが聞こえそうな若草色の切り株に変身。
多くの観光客に毎日みとどけられながら、希望の光をはなってくれています。さすがです。
詩人や画家や作家たちのまなざしを通して、この二代目につづく銀杏の物語が生まれる予感がします。

新作の小品たちに夢中

3月の福岡丸善がすんでから、次なる5月の丸善津田沼展に向けてダッシュ!
やっと、ほぼ展示品はまとまり、ほっと一息。
しかし一歩外に出ると、春の野の花の競演のとき!
ついつい絵筆が走ります。
最近夢中になって描いているのは、ウエスティのグーちゃんとの散歩道で出合う草花。
クローバー、ヒメジオン、ハルジオン、タンポポ、からすのえんどう、くさふじ、かやくさ、消えいりそうな道ばたのひなげし、母子草・・・
つい最近画材店で入手した和紙に、ひとつずつ描いて楽しんでいます。
遊び心のこれらの作品が意外に好評で、額にいれて飾りましょうということになり、昨日は大雨のなか、このたたずまいにふさわしい額を探しにでかけました。
小人ならぬ小品たちのデビューを、津田沼で、とわくわくしています。
いちばん阿見らしい世界といわれましたが、たしかにとてもとても楽しい時間なのです。
画材って、固定しないで先入観を取り払うって大切だと思いました。
もちろん、私が今までなじんできた手すき和紙や絵絹はベースです。

木の心

今月の生け花のお花は、菖蒲と鳴子ゆり・ベルてっせんと日向みずきでした。
お花の先生のお話から、心に沁みたひとつを・・・・
先生のお宅の純日本庭園には、今何種類かのかわいいモミジの木の芽ぶき、「まだ活けるには水揚げの力が弱いので、このかわいい姿はこうして眺めるだけ。木の力といえばいつだったか夏椿=シャラの木に珍しくたくさんの花が咲いたので喜んでいたら、庭師さんが{弱っているのですよ、木は命をつなぐために弱ったときは精いっぱいの力で花をつけるのです}って。自然界の神秘に改めて畏敬の心でジンとしました。」
野の花に向き合って、静かに絵筆をはしらせているとき、きまって訪れる小さなむしたち、でんでんむしやかまきりの赤ちゃん、蜂や蝶・・・最近の私のスケッチ帳にはお花といっしょに小さな命が仲間入りしています。
自然界の一員として、私自身も共通の自然の恵みの中にいるひとときを実感するのですが、草木の命をつなぐことの計り知れない努力を、このお話で少し垣間見た気がしました。

なにわいばらとすずらんが!

スケッチ教室のKさんが、私の大好きななにわいばらのことをおぼえていてくださって、鉢をとどけてくださる。しっかりした苗だからこれならきっと根付いてくれそう。
人のやさしさを存分に頂ける日々、かみしめながら絵筆にその心をゆだねます。
津田沼丸善展にむけての新作は、窓からの遠景、源氏山の薄桃色の桜、桜、桜を、筆の運びの合間に目をやりながら、ぜいたくな時間のなかで仕上げています。
きっと、桜色の花々が生まれるでしょう。
折々のスケッチブックには、花に身を寄せる小さな虫たちが、たいていいっしょに絵になっているので、その姿をテーマにまとめながら。

福岡丸善展 その後

ひとり出張の緊張
 お姉さん、何がそんなに緊張なの?  妹の何気ない質問に「なにがって なんで? ひとりで慣れない土地をうろうろするのよ・・・・。方角音痴なうえに、人に付いて行くことで何十年と生きてしまった私。乗換のこと、切符のこと たくさんのハードルがあるじゃない。」ひとりでドイツに留学したり、旅慣れている妹は唖然とする。
 案の定、折悪しく行き先の福岡空港は荒天のため、着陸の保証はできないと。羽田に引き返すか関空に降りるかそのときにならないとわからないとのアナウンス。
泣きたい気分。なるようになれと最後は度胸がついてなんとかスタート。
帰ってから芳名帳のおひとりおひとりに感謝の写経お礼状を書きあげて、やっと安堵する。
今はそのまたお礼状が、毎日の楽しみ。昨日は、木工が趣味という方の手作りの文箱が届き感動。
創作する喜びにあふれる文面が、大きな刺激になる。野の花に助けられての第二の人生、感謝のみ。

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